1対象者 週5日以上勤務する、山口県内の6市1町のヘルパーと3か所の特別養護老人ホームの寮母にそれぞれ調査票を送り、郵送で個人ごとに回収した。有効回答はヘルパー91名(以下H群)、寮母60名(同R群)で、全員女性であった。H群では40歳代が53名と最も多く、つぎに50歳代(21名)であった。R群では20歳代が多く(25名)、次が50歳代(17名)であった。平均年齢はH群45.5±6.7、R群37.3±13.3とH群が高い。2結果(1)「自覚症状しらべ」ではH群では作業前の訴え率が9.8%、作業後が20.8%であったが、R群では作業前19.3%、作業後32.6%とR群がH群より高い。訴えのパターンはH群ではI>II>IIIで精神作業型を示した。また、R群ではI>III>IIで一般型を示した。(2)「蓄積的疲労徴候調査(以下CFSI)」ではH群は越河のいうところの「慢性疲労」項目の訴えが高く34.6%であり、「一般的疲労感」「身体不調」「抑うつ感」「気力の減退」がそれぞれ31.7%、30.0%、26.3%、24.6%であった。R群では「慢性疲労」項目の訴え率が44.5%で、「一般的疲労感」「抑うつ感」「不安感」「気力の減退」が44.1%、31.4%、31.3%、28.3%と続いた。H群では回答者の年齢がR群に比べて高いにも関わらず、CFSIの訴え率が低いことは、ヘルパーという職業での作業負担は作業全体では寮母に比べて軽いことを示している。(3)ヘルパーの職業に対する満足度を60%以下と答えたヘルパーをH1群(37名平均年齢44.5±6.0)、70%以上と答えたヘルパーをH2群(49名、同46.4±6.4)として検討してみると、自覚症状しらべ、CFSIともにH2群に比べてH1群で訴え率が高く、H1群では、I>II>IIIの精神作業型を示す一方で、「慢性疲労」「一般的疲労」「抑うつ感」「気力の減退」「不安感」の項目の訴え率が30%を越えており、R群とほぼ同じ程度の疲労を持つことがわかった。
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