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1993 年度 実績報告書

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する抗菌剤の使用の検討とその対策

研究課題

研究課題/領域番号 05770334
研究機関名城大学

研究代表者

打矢 恵一  名城大学, 薬学部, 助手 (70168714)

キーワードMRSA / バンコマイシン / クロラムフェニコール / 併用効果 / 消毒薬
研究概要

1993年2月〜同年9月までに国立東名古屋病院において分離されたブドウ球菌のうち42%がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)であった。これらMRSAの各種抗生物質に対する感受性を調べた結果、唯一バンコマイシン(VCM)に対してのみ高い感受性が見られた。又、ミノマイシン(MINO)やクロラムフェニコール(CP)に対してMIC6.25mug/ml以下のものが全体の70〜80%あり、その有用性が示された。しかし、MRSAの治療薬として用いられているイミペネム(IPM)やハベカシン(ABK)に対しては高度耐性を示し、特にABKに対してはMIC12.5mug/ml以上のものが全体の90%以上にも達した。以上、すべてに対して高い感受性が見られたVCMにおいても、表皮ブドウ球菌等においてその耐性が報告されており、VCMだけの過度な使用はその耐性化をまねく危険性があることから、薬剤の併用使用が強く推奨され、今回その併用効果についても詳しく検討を行った。その結果VCM、MINO、CPを用いた他剤との併用が著しく効果が見られ、特に従来から一般に使用されているCPとの併用は、その投与量を注意すればかなり有効な治療法になるものと期待された。次に、消毒剤に対する効果の検討を行った結果、皮膚表面や創傷部等の消毒に用いられているポピドンヨードはすべてのMRSAに対して有効であった。しかし、病室等の床や表面の消毒に使用されている次亜塩素酸ナトリウムや塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン溶液、さらには全般的に広く使用されている塩化ベンゼトニウムにおいては菌株間でバラツキが見られ注意すべき点であった。以上、科学研究費の援助によって得られたこれらの知見は、学会や学会誌に発表することによって広く医療従事者に伝えることにより医療機関からのMRSAの撲滅に寄与していきたい。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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