• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

ヒト胃癌および背景粘膜の細胞増殖と血管構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05770361
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

時田 和彦  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60244612)

キーワード胃癌 / 増殖 / BrdU / 血管
研究概要

本年度までに計約50症例の外科的摘出胃に対し、人工血液を循環させ、その増殖細胞をBrdUで標識した。一部の症例では、同時に血管の鋳型を作成し血管構築を解析した。
癌病巣部での増殖解析の結果は以下の通りであった。分化型胃癌では、癌の組織型により粘膜固有層内での増殖細胞の分布に特徴がみられた。高分化管状腺癌では、癌細胞の標識率は下層に比し上層で有為に高かった。一方、中分化管状腺癌では、上記のような標識率の部位による差がみられない症例が多かった。このことから、高分化管状腺癌は増殖細胞分布の面では細胞分化している可能性が考えられた。未分化型胃癌の増殖解析は、症例数が不十分であり、今後の解析が待たれた。
癌の背景粘膜での増殖解析の結果、異低腺と幽門腺では腺頸部に、完全型腸上皮化生では腺底部に増殖細胞帯が認められた。不完全型腸上皮化生では増殖細胞は腺管中相に分布していたが、このうち細胞異型のみられるものは増殖細胞帯が他の組織型よりも有為に拡大していた。この部位では、増殖細胞になんらかの変化が起こっている可能性が考えられ、発癌との関連から注目された。
血管の検討の結果、非癌部ではラットと同様に、組織型ごとに一定した血管構築が認められた。癌部では正常粘膜に比し血管が増加している病巣が多く、癌病巣が赤色調に見える要因と考えられた。しかし印環細胞癌の早期では、血管の新生の全くみられない病巣もあり、このような病巣は退色調に見えた。
以上のように、実験動物を使った研究では得られないヒト胃癌の増殖細胞分布や血管構造が、本法により解析できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 時田和彦: "遊離臓器人工血液循環法によるヒト胃の解析" 21世紀を目指し羽ばたく消化器病学(日本医学館). 412-413 (1993)

  • [文献書誌] 時田和彦: "胃粘膜下異所性腺管の増殖と分化" 日消病会誌. 90. 1390-1396 (1993)

URL: 

公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi