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1993 年度 実績報告書

肺構成細胞における腫瘍壊死因子(TNF)受容体の遺伝子発現と可溶性TNF受容体生産機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05770391
研究機関山形大学

研究代表者

中村 秀範  山形大学, 医学部, 助手 (30240675)

キーワード腫瘍壊死因子I型受容体 / 可溶性腫瘍壊死因子受容体 / 遺伝子発現 / A549細胞 / ノーザンハイブリダイゼーション
研究概要

はじめに外科的に摘出された健常肺組織および肺癌組織からRNAを抽出し、腫瘍壊死因子受容体(Tumor Necrosis Factor Receptor, TNFR)の遺伝子発現レベルをノーザンハイブリダイゼーション法にて検討した。健常肺組織は、I型およびII型TNFR遺伝子の両者を発現していたが、肺癌組織では、I型のTNFR遺伝子の発現が優位であった。次に培養肺上皮細胞由来株(A594)について検討してみると、A549細胞はI型TNFR遺伝子のみを発現していた。そこで肺上皮細胞のモデルとして、A594細胞を用いI型TNFR遺伝子発現のレベルを修飾する因子について検討した。
phorbol myristate acetate(PMA,80 nM)刺激ではI型TNFR遺伝子発現レベルは時間依存性に増加したが、腫瘍壊死因子(TNF,1mug/ml)で刺激すると、I型TNFR遺伝子の発現は逆に時間依存性に低下した。過酸化水素(H_2O_2,100nM)の刺激は遺伝子発現レベルに影響を及ぼさなかった。^<129>I-TNF binding assayを用い、細胞表面のTNFRの発現レベルを検討すると、PMAの刺激24時間後では増加、TNFの刺激では減少しており、これは遺伝子発現の調節レベルの結果と一致していた。H_2O_2刺激では、^<129>I-TNFの結合能に変化はなかった。A549細胞の培養上清中に、無刺激の場合でも可溶性TNFRが検出されたが、PMA,TNFおよびH_2O_2の刺激後すべてにおいて可溶性受容体は増加していた。I型TNFRの発現は、遺伝子発現レベルにおいても調節されうること、可溶性TNFRの遊離は遺伝子発現の調節と異なる幾序を介して行われていることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Tumor necrosis factor modulation of the cystic fibrosis transmembrane conductance regulator gene" FEBS letters. 314. 366-370 (1992)

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Modulation of tumor necrosis factor receptor gene expression and shedding soluble tumor necrosis factor receptors by inflammatory mediators" American Review of Respiratory Disease. (in press). (1994)

  • [文献書誌] 中村 秀範: "好中球エラスターゼinhibitor吸入療法による肺傷害の治療とその意義" 侵襲と免疫. 8. 27-30 (1993)

  • [文献書誌] 中村 秀範: "肺胞上皮細胞株(A549)における腫瘍壊死因子I型受容体の遺伝子発現と可溶性腫瘍壊死因子受容体の遊離調節" 日本胸部疾患学会雑誌. (in press). (1994)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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