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1993 年度 実績報告書

神経変性疾患の中枢神経組織における細胞骨格蛋白と神経伝達物質の免疫組織化学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 05770446
研究機関(財)田附興風会

研究代表者

松本 禎之  財団法人田附興風会, 医学研究所・第4部, 所員 (80250075)

研究分担者 今井 輝国  財団法人田附興風会, 医学研究所・第4部, 部長
伊東 秀文  財団法人田附興風会, 医学研究所・第4部, 所員 (20250061)
日下 博文  財団法人田附興風会, 医学研究所・第4部, 所員 (70250066)
研究概要

1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の脊髄前角細胞においてユビキチン陽性のskein-like inclusion(SLI)が特徴的な所見とされている。今回乳幼児の運動ニューロン疾患であるWerdnig-Hoffmann病およびbasophilic inclusuion(BI)を伴う若年性ALSにおいてその発現の有無を成人型ALSと比較検討した。SLIはWerdnig-Hoffmann病、若年性ALSではみとめられず,成人発症のALSに特徴的な所見であると考えられた。
2)成人発症の運動ニューロン疾患のsubgroupで脊髄前角細胞のユビキチン陽性のSLIの有無を比較検討した。孤発性ALS,孤発性下位運動ニューロン疾患,痴呆を伴う孤発性ALS,長期人工呼吸器管理のALS、およびLewy body-like hyaline inclusionを伴う孤発性ALSでは全例でSLIが認められた。BIを伴う孤発性運動ニューロン疾患ではSLIは確認できず,Bunina小体も認められなかった。成人発症のALSにおいて少なくとも下位運動ニューロンについては同様の変性機序の作用している可能性が考えられる。BIを伴う成人型運動ニューロン疾患では古典型ALSとの相違が示唆され,BIを伴う若年性ALSとの関連について今後さらに検討が必要と考えられた。
3)ALSの脊髄前角のシナブスの変化をpresynaptic vesicle membraneの構成蛋白であるsynaptophysinに対する抗体を用いて免疫組織化学的に検討した。正常コントロールに比べて,ALSの脊髄前角ではsynaptophysinの染色活性が低下しており,前角細胞の減少との相関がみられた。残存ニューロンには正常と同様の染色性が認められた。局所性脳・脊髄病変による二次性錐体路変性の例では正常コントロールと同様の強い染色性がかみられ,ALSの脊髄前角のsynaptophysinの染色性の低下は下位運動ニューロンの減少が主因と考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松本禎之ほか: "脊髄前角細胞におけるubiquitin陽性のskein-like inclusion:成人型運動ニューロン疾患のsubgroupでの比較検討" 臨床神経学. 33. 1125-1130 (1993)

  • [文献書誌] Sadayuki Matsumoto et al.: "Ubiquitin-positive inclusions in anterior horn cells in subgroups of motor neuron discase:A comparative study of adult-onset amyotrophic lateral sclerosis,juvenile amyotrophic lateral sclerosis and Werdnig-Hoffmann disease." Journal of the Neurological Sciences. 115. 208-213 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2014-02-27  

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