Sjogren-Larsson(S-L)症候群患者4人と臨床症状が非典型的なSjogren-Larsson(S-L)様症候群患者2人について脂肪酸の代謝について検討した。 方法: 1)血清脂質分析を2次元薄層クロマトグラフィーで分離同定した。 2)培養皮膚線維芽細胞に3H-palmitic acid より合成した3H-cetyl alcoholとNAD^+albuminを加え20分間インキュベーションしHexaneで脂質を抽出しHexane:Ether:acetic acid=60:40:1の展開槽で分離しpalmiticacid層をかきとり液体シンチレーションカウンターにてカウントし、Fattyalcohol:NAD^+oxidreductase(FAO)活性を測定した。 3)培養皮膚線維芽細胞に14C-Stearil alcoholを加え20分、40分後の細胞内の脂質を抽質しStearicacidへの分解能を測定した。 結果: 1)S-L症候群において脂肪酸アルコールであるセチルアルコールの蓄積は認めなかった。 2)FAO活性はS-L症候群の1人は対照の10%と著明に低下しているが残りの3人は50%であった。S-L様症候群は正常であった。 3)S-L症候群において分解能は著明に低下していたがS-L症候群は対照と変わらなかった。 考案:S-L症候群でFAO活性の低下とそれによる脂肪酸アルコールの蓄積が認められた。S-L様症候群はFAO活性は正常でその鑑別は14C-Starilalcoholの負荷試験が簡便で有用であった。
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