研究概要 |
1.ホルマリン固定、パラフィン包埋の病理組織切片よりDNAを抽出する方法を確立した。この事によりretrospectiveに、種々の皮膚疾患におけるウイルス(HSV,HPV)の関与をPCR法を用いて検討している。しかしながら比較的最大の切片にくらべ、古い切片における検出率は劣り、この点に問題を残している。また、凍結標本の検出率がより高いので、疾患、目的とするウイルスを絞り、prospectiveな検討も開始した。なお、副次的な仕事として結核性皮膚病変よりの結核菌検出を試みている。 2.培養細胞(角化細胞由来)に低力価のHSVを感染させ、持続(潜伏)感染系を起こすのに適切な条件の検討を行っている。確立後はこの時のHSVの存在様式を検索していく予定である。 3.免疫抑制との関係。再発型HSVは免疫を低下させるようなストレスにおいて誘発されるので、発症時に患者の協力を得て採血し、PCR法によるHSVのDNAの検出を行ない、陽性所見を得ている。この時、患者由来リンパ球のHSV抗原に対する反応性の変化を調べたところ不変ないし低下していた。ヒトの場合、種類、程度とも様々なストレスを受けており、条件を一定にするためにHSV感染マウスに免疫抑制剤を投与する系の確立を目指している。
|