研究概要 |
HPV5型および8型の塩基配列よりE6,E7を増幅するためのプライマーを設定し,合成した.これらのプライマーを用いてHPV5型のE6E,7の発現クローンを作製した.更にHPV5型についてはE1,E2の発現クローンも作製中である.また疣贅状表皮発育異常症における癌抑制遺伝子の変異の有無を調べ,p53遺伝子およびRb遺伝子に変異を認めないことを明らかにした.更に,疣贅状表皮発育異常症の病変部でproliferating cell nuclearantigen(PCNA)の発現が亢進していることを明らかにし,また,PCNA発現はHPV16型E7によって誘導されることを示した.このPCNA発現の誘導はE7とRbの結合によってフリーになったE2Fを介するものの可能性があると考えられた.今後はHPV5型E7によるPCNA発現の誘導が認められるかどうか,HPV5型E7とRbとの結合について検討を進める予定である.
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