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1993 年度 実績報告書

逆説睡眠発現機序とナルコレプシ-解明へのマイクロダイアリシス法と用いたアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 05770753
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

児玉 亨  (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 主任研究員 (20195746)

キーワード逆説睡眠 / ナルコレプシ- / マイクロダイアリシス / アセチルコリン / グルタミン酸
研究概要

逆説睡眠時の筋緊張低下(アトニア)のメカニズムはナルコレプシ-の脱力発作発現のメカニズムとも共通していると考えられ、その経路を知ることはナルコレプシ-の治療にも知見を与える。そこで本研究では、アトニアのメカニズムを探るため筋緊張低下の中枢の一つと考えられている橋背側部において神経伝達物質の測定を行なった。アセチルコリンの放出に関しては、前回の報告のように逆説睡眠時に特異的増加を認めたが、今回アセチルコリンとともに筋緊張の低下に関係していると考えられるグルタミン酸について測定をおこなったところ、逆説睡眠時の特異的増加は観測されなかった。しかし、橋背側部に投射していると考えられる pedunculopontine nucleus(PPN)においてグルタミン酸の増加が観測された。(これらの結果については、延髄での実験結果とともに、現在論文発表の準備を進めている。)一方で、橋背側部においてグルタミン酸による睡眠の間接的制御が予備実験で認められた。測定用プローブを用いてグルタミン酸を注入し、アセチルコリンの反応を見たところ、刺激中はアセチルコリンの放出が抑制され逆説睡眠の発生も見られなかった。グルタミン酸を元の還流液に戻すとアセチルコリンの放出が増加して反跳反応として逆説睡眠が増加した。逆説睡眠とアセチルコリンの放出は相関をとってみると、まず、アセチルコリンが増加してその後逆説睡眠が起こっていることがわかる。つまり、グルタミン酸の刺激は一過性にアセチルコリンを抑制し、その後におこるアセチルコリンの増加により逆説睡眠を引き起こしているらしい。しかし、前述のように逆説睡眠直前のグルタミン酸の生理的増加は確認されていない。今後徐波睡眠から逆説睡眠への移行部について標本採取間隔を細かくして調べる必要があろう。
一部実験計画を変更して橋背側部におけるアセチルコリンとグルタミン酸の投射起始部を探ることにした。微量注入で筋緊張低下の現われる橋内の二つの部位、PPN,retrorubral nucleus(RRN)で電気刺激を行ない橋背側部でアセチルコリンとグルタミン酸とを測定した。現在まで集まっている結果からは、RRNからのアセチルコリンの投射とPPNからのグルタミン酸の投射の可能性が示唆されており更に詳しく調べているところである。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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