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1993 年度 実績報告書

糖尿病性腎症の発症機構における系球体内皮細胞とメサンギウム細胞の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 05770767
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

古家 大祐  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70242980)

キーワード糖尿病性腎症 / メサンギウム細胞 / 内皮細胞 / 内皮由来弛緩因子 / ブラジキニン / 可溶性グアニル酸シクラーゼ / cGMP
研究概要

私共は、高糖濃度条件培養メサンギウム細胞において、心房性ナトリウム利尿ペプチド応答性の増加およびアンジオテンシンII応答性の低下が認められることを報告し、これら機能異常が糖尿病性腎症の発症に関与している可能性を示した。しかし、生体においては他の内皮あるいは上皮細胞と共存しており、それらの相互作用について検討する必要がある。
そこで本研究は、メサンギウム細胞(rat mesangial cell,MC)を正常(5.6mM glucose)あるいは高糖濃度(27.8mM glucose)条件下で5日間培養後、正常糖蜜度で培養した牛大動脈内皮細胞(bovine aortic endothelial cell,BAEC)とco-incubation系に置き、内皮質細胞側をブラジキニンにより刺激した後、メサンギウム細胞内cGMP産生を測定することにより、高密濃度条件下における内皮細胞のEDRF産生生能およびメサンギウム細胞のEDRF応答性の変異を検討した。ついで、メサンギウム細胞のEDRF応答性をさらに詳細に検討するため、高密濃度条件下で培養したメサンギウム細胞を用い、ニトロプルシドナトリウム塩(sodiumu nitroprussede,SNP)刺激時の可溶性グアニル酸シクラーゼ(SGC)活性を測定した。
高密濃度(27.8mM)条件下で培養したMCと正常糖濃度(5.6mM)条件下で培養したBAECをco-incubationし、ブラジキニン(1muM,10分)で刺激時のMC内cGMP含量は、68.2±27.7pmol/mg proteinであり、正常糖濃度(5.6mM)条件での値67.6±10.1pmo1/mg proteinとの差を認めなかった。
SNP刺激にて、正常糖濃度(5.6mM)条件下でSGC活性は約2倍に増加した。また、糖濃度16.7mMおよび27.8mMにおいても、SNP刺激時のSGC活性は約2倍であり、正常糖濃度条件下と差を認めなかった。
以上の結果より、メサンギウム細胞におけるEDRF-SGG-cGMP経路が糖尿病性腎症に認められる腎血行動態の異常に関与している可能性は否定的であると考えられた。ただし、今回の検討では、メサンギウム細胞のみを高糖条件下にて培養しており、高糖濃度条件の内皮細胞からのEDRF産性あるいは分解に関する変化については今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 古家大祐 他: "培養ラットメサンギウム細胞におけるFocal Adhesion Kinaseの燐酸化に及ぼすエンドセリンの効果" 第36回日本腎臓学総会抄録衆. 316 (1993)

  • [文献書誌] D.KOYA et.al: "Endothelin enhances tyrosine phosphorylation of focal adhesion kinase(FAK)by protein kinase C-dependent pathway in cultured mesengial cells" Journal of The American Society of Nephrology. 4. 491- (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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