研究概要 |
(カイニン酸てんかんモデルの作成) 雄Wistar系ラットを用い、ネンブタール麻酔下、定位的に外径0.6mmのステンレスパイプを左扁桃核に刺入しデンタールセメントにて頭蓋に固定した。1週間以上の回復期間を置いて、無麻酔・無拘束下に外筒に沿って0.3mmのステンレスパイプ(内筒)を挿入し、リン酸緩衝液に溶解したカイニン酸を1ug/u1徐々に注入した(5分間)。このモデルは、カイニン酸注入後17〜25日で自発性辺縁系発作が誘発され、2〜3カ月で二次性全般化発作を来すようになる。病理学的には扁桃核の局所性壊死と周囲のグリオーシスの他に、海馬の主としてCA3と部分的にCA4に神経細胞の脱落を認める。 (Apoptosisの検出) 上記カイニン酸てんかんモデルラットの海馬を経時的に摘出し、錐体細胞由来の核DNAがヌクレオソーム単位で断片化(fragmentation)されるか否かをアガロースゲル電気泳動法により解析を行った。ネンブタール痲酔下、生理食塩水にて灌流し摘出した脳を約1mm間隔でスライスし、手術用顕微鏡下に海馬をCA1・2、CA3・4に分離させ凍結保存する。カイニン酸注入後1h,3h,6h,12h,24h,2日,3日,4日後に各々2匹分の海馬よりDNAを抽出し電気泳動を行ったがfragmentationは観察されなかった。現在、5日目以降について検索中である。
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