頭頸部癌に対するComplcte Rcsponseの高い多剤併用化学療法の確立

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05771345
• 研究機関: 横浜市立大学
• 研究代表者: 小勝 敏幸 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70234721)
• キーワード: 頭頸部癌 / 制癌剤感受性試験 / 多剤併用化学療法 / CF療法 / シスプラチン / フルオロウラシル / サイクロフォスファミド / Complete Responsc

研究概要

【頭頸部癌培養細胞株の樹立及び多剤癌化学療法剤感受性試験】
当科で得た頭頸部偏平上皮癌細胞を培養フラスコを用いて、生胎児血清加RPMI培養液およびHEPES培地にて培養した。さらにasscy用96穴プレートを用いてCDDP、5-FUさらに併用する第3の抗癌剤としてADM、Elop、PLM、MTX、CPM、VCR、の6種類の各薬剤の併用効果を^3II-Tdr法により抗腫瘍効果を検討した。その結果ADM、CPM、MTX、PLM、VCR、Etop、の順に抗腫瘍効果の増強が認められた。
【多剤併用化学療法の臨床応用】
臨床応用ではCDDP60mg/m^2(day4)、5-FU1000mg/m^2(day1-5)の従来のCF療法に併用させた場合、副作用の最も少ないと思われるCPM400mg/m^2をday3に併用投与した。頭頸部偏平上皮癌進行癌患者50例に対してCF療法ICPMの3剤併用療法を施行した結果、CR(Completeresponse)率22%、奏効率74%であり、従来のCF療法における20%、69%と比べ進行癌患者がより多いにもかかわらず有意の差はないが良好な奏効性を得た。また副作用の発現おいてもほぼ同率であり、十分に臨床応用が可能と判断された。今後はさらに有意にCP率の高い多剤併用化学療法を確立するために、多剤の併用療法を検討中である。

研究成果

• [文献書誌] 小勝敏幸: "CDDP,5-FUを中心とした3者併用療法の検討" 頭頸部腫瘍. 20(印刷中). (1994)
• [文献書誌] Toshiyuki Kokatsu: "Chemothrapy for recurrent adeno-and adenoidcystic carcinomas in the head and neck" Cancer Res Clin Oncol. 119. 756-758 (1993)
• [文献書誌] Toshiyuki Kokatsu: "Hypopituitarism and Hyponaremia in a Case with Nasopharyngeal Carcinoma" Otorhinolaryngology. (in print). (1994)
• [文献書誌] 小勝敏幸: "頭頸部癌患者の血清エリスロポエチン値の変動" 頭頸部腫瘍. 19. 239-243 (1993)
• [文献書誌] 小勝敏幸: "Cisplatinを含む多剤併用化学療法による悪心・嘔吐に対するGranisetolonおよびHydroxy Hydrochrolyde併用の有用性の検討" 癌と化学療法. 13. 2037-2041 (1993)
• [文献書誌] Toshiyuki Kokatsu: "Clinical application of recombinant human erythropoietin for treatements in patients with head and neck" Cancer Immunol Immunother. 36. 52-56 (1993)
• [文献書誌] 小勝敏幸: "頸動脈置換を施行した頭頸部癌の2症例" 耳鼻咽喉科-頭頸部外科. 65. 752-756 (1993)
• [文献書誌] 小勝敏幸: "頭頸部腫瘍における血管新生についての研究" 日本耳鼻咽喉科学会会報(Journal of Otolaryngology of Japan). 96. 645-650 (1993)