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1993 年度 実績報告書

頭頸部癌での抗癌剤・放射線治療における腫瘍殺傷効果の増強《スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)の生化学的誘導機序の解明とその阻害効果》

研究課題

研究課題/領域番号 05771374
研究機関近畿大学

研究代表者

西田 升三  近畿大学, 医学部, 講師 (40208187)

キーワードスーパーオキサイドジスムターゼ / 頭頸部腫瘍 / プロテインキナーゼC / melaroma / Mn‐SOD
研究概要

酸素ラジカルを介して腫瘍壊死作用を示すTNF(腫瘍壊死因子)あるいは数種の抗癌剤に対し、悪性黒色腫など数種の癌は抵抗性を示す。反応性のフリーラジカルを消去する生体内酵素の一つであるスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)を、抗Cu,Zn‐SOD抗体、抗Mn‐SOD抗体を用いたELISA法にて測定を行うと、特にミトコンドリアに存在するMn‐SODが、それらの耐性癌には豊富に存在するか、あるいは抗癌剤が作用した時、Mn‐SOD含量が著しい増加を示した。即ちSODが癌におけるTNF,抗癌剤耐性の一つの原因である可能性が強い。さらに癌細胞では、TPA添加にてMn‐SODの転写は増強され、H7にて抑制される。この結果よりSODの生化学的誘導機序の一部にはc‐kinaseが密接に関与している事を認めた。そこで、SODの生化学的誘導経路をH7にて遮断する事によりTNFおよび抗腫瘍剤の腫瘍殺傷効果を回復、増強させる事が可能か否かについて検討を行った。材料として悪性黒色腫細胞株(好転移性株BL6,低転移性株F1)を用いた。これらの細胞株は、TNFalpha耐性であり、1000ng/mlの添加にもその増殖は影響を受けなかった。これらの株をH7にて前処理し、TNFalphaを添加すると、H7あるいはTNFalphaの用量依存性に、細胞致死率は増加し、H7無処置群では完全耐性であったにもかかわらず処置群では50.3%の細胞が死滅した。現在乳酸ポリマーを用いた徐放剤の応用及びヒトのprimary cultureでの効果に対して検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 西田升三: "甲状腺腫瘍におけるSODの変化とその誘導因子" 日本癌学会総会記事. 562-562 (1993)

  • [文献書誌] Shozo Nishida: "Manganes superoxlde dismutase content and locaoization in human thyroid tumors" Journal of Pathology. 169. 341-345 (1993)

  • [文献書誌] Shozo NISHIDA: "Morphological properties of human thyroid tumor cells in collagen gel culture and metastatic or invasive ability" Histology and Histgopathology. 8. 329-338 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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