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1993 年度 実績報告書

歯周病巣局所におけるT細胞機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05771588
研究機関大阪大学

研究代表者

島内 英俊  大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70187425)

キーワードPorphyromonas gingivalis / 線毛 / 抗原特異的T細胞 / 歯周病
研究概要

歯周炎病巣歯肉中にはT細胞が局在し、病巣局所における免疫応答を調節していると考えられる。本研究では、T細胞による歯周病原性細菌に対する特異免疫応答の調節機構の解析を目的として、歯周炎患者末梢血あるいは病巣歯肉リンパ球に存在するPorphyromonas gingivalis線毛抗原特異的T細胞の解析を行った。成人性歯周炎患者の末梢血単核球(PBMC)を所定濃度の線毛抗原とともに培養し、^3H-チミジン(^3H-TdR)の取り込みを指標に抗原特異的細胞増殖反応を検討した結果、歯周炎患者群においては0.5〜50mug/mlの濃度の線毛抗原に対して濃度依存的な増殖反応が認められたのに対し、歯周組織の健康な健常者群より分離したPBMCはこのような反応は示さなかった。また、50mug/mlの線毛抗原を添加した培養で得られた刺激指数(SI)は、患者群で平均1.73±0.21であるのに対し、健常者群では0.86±0.07で有意に高く、歯周炎患者末梢血中に線毛抗原に反応する細胞群が存在することが明らかとなった。さらに、増殖した細胞を比重遠心法により回収し、フローサイトメーターを用いて解析した結果、CD3^+細胞の比率が59.7%から81.1%にまたCD4^+細胞が32.6%から60.2%に増加し、線毛抗原に反応してCD4陽性T細胞が増加したことが示された。さらに線毛抗原に対して増殖反応がみられた被験者のPBMCよりCD4^+T細胞を分離し、線毛抗原および抗原提示細胞(APC)とともに培養すると、SIはPBMCの場合と比較して上昇し、線毛抗原に対する応答はより明確となった。さらに、CD4^+T細胞の増殖はAPC非存在下ではみられず、この反応が線毛のmitogenesityによるものではなく、抗原特異的であることが明らかとなった。すなわち、本研究により歯周炎患者末梢血中にP.gingivalis線毛抗原特異的ヘルパーT細胞が存在し、線毛抗原に対して明確な増殖応答を示すことより、これらの抗原特異的T細胞群よりクローンを得る可能性が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.Yoshida et.al.: "Analysis of P.gingivalis Fimbriae-Specific T Cells in Advanced Periodontitis Patients" Journal of Dental Research. 73(印刷中). (1994)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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