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1993 年度 実績報告書

歯周病原細菌が産生する白血球毒素の細胞障害機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05771595
研究機関岡山大学

研究代表者

本行 博  岡山大学, 歯学部, 助手 (80243476)

キーワードActinobacillus actinomycetemcomitans / 白血球毒素 / HL-60 / K-562 / リン酸化
研究概要

歯周病原性細菌 Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a)の産生する白血球毒素による標的細胞蛋白のリン酸化を検出した。
【材料及び方法】
1)白血球毒素:歯周炎患者から分離したA.aよりOhtaらの方法によって精製した。
2)細胞株:白血球毒素感受性細胞株としてHL-60(Promyelocytic cell line)を、非感受性細胞株としてK-562(Erythroleukemic cell line)を使用した。
3)蛋白質リン酸化の検出:細胞の超音波破砕物を白血球毒素および[gamma-^<32>P]APTを含む溶液中(40mM HEPES、10mM MgCl_2、pH7.3)で37℃に保温し、電気泳動によって蛋白質を分離した。リン酸化した蛋白質はオートラジオグラフィーによって検出した。
【結果と考察】
HL-60細胞では、白血球毒素による105KDa、120KDa、130KDa蛋白質のリン酸化の亢進がおこった。この反応は20mM EGTA を用いて反応溶液中のCa^<2+>をキレートとしたさいにもみられた。白血球毒素による細胞障害ではCa^<2+>が必要とされているが、白血球毒素による標的細胞蛋白のリン酸化にCa^<2+>は必要ないと思われる。一方、K-562細胞では白血球毒素特異的な蛋白質のリン酸化の亢進はみられなかった。細菌毒素が細胞内情報伝達系の特定の部位を標的とし、細胞機能を修飾する例が多数報告されている。今回の結果からA.a白血球毒素においても標的細胞の蛋白質をリン酸化し、細胞障害を導く可能性が示唆された。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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