研究概要 |
象牙質知覚過敏症の治療法のうち、イオン導入法またはシュウ酸カリウム溶液の塗布法の施した際の象牙細管内部の微細構造変化を調べる目的で、あえて比較的に象牙細管の開口の大きい幼若永久歯を対象に以下の実験を行った。すなわち、根未完成または根完成菌の幼若永久歯を有するカニクイザル2頭を実験動物として用いた。全身麻酔後、実験動物を手術台に固定し、前歯唇面、臼歯咬合面にそれぞれ2ケの独立した象牙質窩洞(深さ約2mm,直径約2mm)を形成し、窩底部に存在するスメア層の除去を超音波スケーラーにて行った。 実験群は〔A群〕2窩洞のうち1つには8%塩化亜鉛液のイオン導入0.3mmA5分、他の1つには生理食塩液の塗布、〔B群〕2窩洞のうち1つには25%シュウ酸カリウム溶液2分間塗布、他の1つには2%フッ化ナトリウム溶液を3分間用、の2群とした。 各実験群の窩洞から直径約1mm前後の象牙質試料を取り出し、1.樹脂包理後、厚さ約10〜20mumの切片を作製し、各種染色を施し、応用直下の歯髄と硬組織の光学顕微鏡観察、2.通法に従い脱水、臨界点乾燥を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、3.一部の試料はエポン樹脂包理後、ダイヤモンドナイフにて超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡観察を行った。 その結果、光顕的観察では、塗布面に一致する歯髄腔の表層には特に変化はみられなかったが、残存窩底象牙質の厚さが比較的菲薄な例では、イオン導入例に若干の象牙芽細胞の変化を生じた。SEM観察では、細管の封鎖や狭窄がシュウ酸カリウム応用例にみられたが、同部象牙質直下の歯髄面における変化は現在標本作製中であり、今後、さらに詳細に関して検索していく予定である。
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