本研究は、手術前矯正治療の終了した偏位を伴わない骨格性下顎前突者12名の最大開閉口運動における、下顎頭運動についてCADIAX(GAMMA社製)を用いて対照群との比較検討を行った。対照群には矯正学的に咀嚼系に異常の認められない者8名を用いた。 結果 1 最大滑走距離は、両群に有意差は認めなかった。 2 矢状面的には、対照群に比べると、開口路に対し閉口路が上になる者や下になる者など、また水平面的にも対照群に比べると、開口路に対し閉口路が内側を通る者や外側を通る者などばらつきが有意に認められ、程度も様々な傾向が認められた。 追加研究の経過では、術後矯正治療後(保定中)における運動では、術前に認められたばらつきが、非常に小さくなる傾向が認められ、下顎頭運動も術後の咬合環境に適応していることが示唆された。
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