全く新しいタイプの抗HIV剤として報告されているprostratin(1)は下記のような構造の天然物である。この1よりも高い活性を有し、1よりも効率の良い合成が可能な新規化合物を目指してコンピュータ支援のもとに分子設計を行なった。その結果、化合物2-4および化合物5を選択し合成を検討した。本年度は、下記に示すようにニトリルオキシド環化付加反応による2と3の合成に成功し、その結果の一部は現在SYNLETT誌に投稿中である。4の合成についても最終段階にあり、合成した化合物はまとめて抗HIV活性等の生物活性試験を行う予定である。5の合成はニトリルオキシド環化付加による中間体からの変換では目的物を得る事ができなかった。現在、合成ルートを変更し、ラジカル環化反応による短工程ルートを検討中である。
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