我々が開発したフェニルセレニドアニオンのアラン錯体を利用して得られる1を原料とした。フェニルセレノ体1は位置選択的なセレノキシドのsyn-脱離反応により本研究の鍵化合物となるアリルアセテート2へ良好な収率で変換することができた。次に、2のアリル転位反応についてルイス酸の種類と当量数を中心に検討を加えた。その結果、塩化メチレン中、2に対して10当量の有機シリコン試剤(3-8)および5当量の四塩化スズを反応させたところ、-78°C以下でアリル転位反応は進行し目的とする4'-炭素置換体9a-14aおよびその4'-エピマ-9b-14bを得ることができた。いずれの有機シリコン試剤を反応させた場合も天然のヌクレオシドと同じ立体配置を有する9a-14aが立体選択的に生成することが判った。以上の結果より本反応は極めて一般性のある合成法になり得る。
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