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1993 年度 実績報告書

血清中1-メチルアデノシン及びシュードウリジン定量による癌患者のモニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 05772034
研究機関東北大学

研究代表者

伊藤 邦彦  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90221770)

キーワード修飾ヌクレオシド / 腫瘍マーカー / モノクローナル抗体 / 1-メチルアデノシン / シュードウリジン
研究概要

癌患者尿中に増加する修飾ヌクレオシドの腫瘍マーカーへの応用に関する報告は数多くあり、我々もこれまで、尿中1-メチルアデノシン及びシュードウリジンの有用性を検討してきた。しかし、尿試料の場合クレアチニン補正が必要があるという欠点があった。これに比して、血清中の修飾ヌクレオシドはより正確に生体の状態を反映すると考えられるため、その有用性を検討すべく以下の検討を行った。
1.健常人の血清中量の検討:健常人の血清中1-メチルアデノシン、シュードウリジン量を男性16人(年齢20-65才;平均32.2才)、女性15人(年齢18-63才;平均33.5才)について検討した。1-メチルアデノシンの平均値は28.3±7.9ng/ml、シュードウリジンの平均値は1.28±0.27mug/mlであり、平均値の性差及び年齢差はいずれにも認められなかった。これらの値をもとにカットオフ値を、1-メチルアデノシンについては44.1ng/ml、シュードウリジンについては1.82mug/mlと設定した。続いて、血清中の両ヌクレオシド量の日差変動を健常人男性3人を対象として検討した。血清中1-メチルアデノシン量は全例カットオフ値以下の値であり、シュードウリジンは1例で1日のみカットオフ値を超える値が得られたが、他は全てカットオフ値以下であった。以上の結果から、これら修飾ヌクレオシド含量は健常人において一定の値を示すことが判明したため、腫瘍マーカーとしての要件を具備するものと考え、スクリーニングへの応用を図った。
2.癌患者のスクリーニング:固形癌患者33人、白血病・リンパ腫患者15人について血清中の1-メチルアデノシンとシュードウリジン量を検討した。固形癌患者において1-メチルアデノシンは10%、シュードウリジンは33%がカットオフ値を超える値を示し、特に肝臓癌、総胆管癌で両ヌクレオシドとも陽性率が高くなる傾向が認められた。一方、白血病・リンパ腫患者においては、シュードウリジンが1例陽性を示したのみで、固形癌の結果との相違が認められた。以上の結果より、血清中の1-メチルアデノシン、シュードウリジンは固形癌を対象とするとき腫瘍マーカーとして有用であることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kunihiko Itoh: "Uriary excretion patterns of modified nucleosicles、pseudouridine and 1-methyladenosine,in lsealthy individuals." Clin.Chim.Acta. 217. 221-223 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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