熱プラズマ中に粉未を供給すると、瞬時に加熱され、その後、急冷が起きる。このプロセスを利用すると粉末の形態、結晶構造、化学組成の修飾が可能になる。本研究では供給した粉末をプラズマ中で反応させ、プラズマの各種のパラメータにより、プラズマ中で生成した粉末の組成等を制御し、傾斜機能材料を作成することを目的とした。 本研究はまず(1)RF熱プラズマに粉未を効率良く供給するためのプラズマト-チの開発を行い、次に(2)そのト-チを用いて炭化チタンの粉未の窒化を行い、プラズマ処理の検討を行った。得られた結果を以下に示す。 1)RFプラズマを用いた各種のプロセスを効率良く行うためには、適切なト-チの設計が大切である。そのためにRFプラズマ反応器の数値解析を行った。連続の式、運動量保存式、エネルギー保存式、および成分保存式をSIMPLEC法により解いた。その結果、粉末供給プローブをプラズマト-チ内に設置する最適位置を決定した。さらにプラズマ圧力を400 torrまで下げることにより、供給粉未を効率良く加熱できることがわかった。 2)上記で開発したプラズマト-チを用いて、RFプラズマ中で炭化チタンの窒化を行った。TiC-TiN系は結晶構造の変化なしに完全置換固溶するので、プラズマ処理によって格子中の炭素と窒素の置換ができる。プラズマの圧力、ガス組成、炭化チタンの供給速度等を変えて炭化チタンの窒化を行うことにより、炭化チタン中の炭素と窒素の置換した割合を制御することができた。よってTiC-TiNから成る傾斜機能材料を作成できることがわかった。
|