研究概要 |
1.磁気懸架システムの改良、安定化、信頼性の向上 光源として2種類の光源を選択できるようにした。1つは実験室用の光強度の空間分布が均一な小型光源で、超高輝度LED(SHARP LT9560U,8000mcd)である。他はレーザー核融合実験炉用の光源で、発散角が小さく出力が安定なHe-Neレーザー(uniphase1137P,ノイズ0.2%以下)である。 光検出器として応答速度が数kHz程度と磁気懸架に適合し高周波ノイズに感度を有しない太陽電池を採用した。また備品として申請したロックインアンプ(SRSSR830)も採用できるようにした。 2.磁気懸架の理論解析・実験 (1)磁気懸架ペレットの理論解析 ペレットが受ける流体的粘性力・磁気力を考慮した運動方程式、進み位相補償制御系の理論解析を行った。これにより、場(真空度、磁界)・ペレット(寸法、質量、磁性体コート厚)のパラメトリックなペレットの動きの予測がコンピュータシミュレーションによりある程度可能となった。 (2)ペレットの懸架実験 実際に大気圧におけるペレット(ガラスマイクロバルーン,直径760mum,壁厚2.3mum,Niコート厚74nm)の懸架実験を行い、上記予測と非常に良く一致を確認した。またペレットの垂直方向の振動に関して、緩和時間は真空度によらず210ms、懸架精度は±5mum以下、であり現状のレーザー核融合実験において十分な性能が得られた。
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