研究概要 |
(1)高周波マグネトロンスパッタリングによるTiO_2薄膜作成においてプラズマ空間に熱電子放出プローブを挿入することによりTiO_2膜の結晶性が変化することを見出した。プローブを挿入しないとき及び基板に対してプローブのバイアスを負に保つとアナターゼ型TiO_2膜となるが、基板に対してプローブのバイアスを正に保つとルチル型TiO_2膜が成長することがわかった。ルチル型TiO_2はアナターゼ型に比べて優れた特性を有しておりプローブ挿入という簡便な方法でその成長を促すことができることは、従来の成膜装置の能力を高め応用範囲を広げる成果といえる。 (2)直流放電装置を使用してArプラズマ中にAlを蒸発させた場合のAlの電離機構及びAlのイオン化率を調べた。測定方法として光吸収法,発光分光法,ラングミュアプローブ法を用いた。Arガス圧が10^<-2>Torr台ではAlは主に電子衝突電離によって電離しそのイオン化率は数%程度であった。Arガス圧が10^<-1>Torr台ではAr準安定原子によるペニング効果の寄与が大きくなることがわかった。
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