• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

家鴨の刷り込み形成時に脳内MHV領域で活性化される遺伝子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05780511
研究機関創価大学

研究代表者

近藤 和典  創価大学, 工学部, 助手 (10211913)

キーワードインプリンティング / 刷り込み / あひる / NADAレセプター
研究概要

記憶や学習など中枢神経の可塑性を分子レベルで解析するためのモデルシステムとして、家鴨の刷り込み現象を選んだ。刷り込み刺激が与えられた時、MHVにおいてどのような遺伝子の転写が促進されるのかを知るためディファレンシャルスクリーニングを行ない、刷り込み刺激を受けたものに特異的に転写が促進される遺伝子クローンをスクリーンしたところ、ミトコンドリア上の遺伝子、カイニン酸結合タンパク質、カルモデュリン等が得られた。また、鳥類の刷り込みまたは、他の生物種において記憶や学習に関連する遺伝子の候補として、NMDAレセプターについて、報告されているRatの遺伝子の塩基配列情報を用いてPCR法によって家鴨のNMDAレセプター遺伝子の1つ(NMDA-R1)をクローン化し、in situハイブリダイゼーション法を用いて脳内での分布の変化を調べた。
さらに、記憶や学習に関連していると考えられる遺伝子の候補として家鴨脳のシナプス分画に対する抗体を作製し、そこに存在するタンパクをコードする遺伝子群を数十個クローン化し塩基配列を決定して同定した。これらの遺伝子発現の刷り込み過程における時間的変化をドットブロットあるいはノーザンハイブリダイゼーション法によって調べた。その結果、大きく分けて次の3クラスに分類された:1)2倍以上の増加がみられるもの:ミトコンドリア上の遺伝子、カイニン酸結合タンパク質、EFT-2様遺伝子;2)2倍以内のわずかな増加がみられるもの:カルモデュリン、NMDAレセプター、シナプシンI、NCAM、ナトリウム/カリウムATPアーゼ;3)殆ど変化がないかあるいはわずかに減少するもの:カルモデュリンキナーゼII、シナプトタグミン、シンタクシン、ニューレキシン、Na/Caエクスチェインジャー。現在、これらの変化が発生過程に伴うものか刷り込み刺激によるのかの確認のための実験を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.Kimura,N.Kurosawa,K.Kondo,Y.Tsukada: "Molecalar cloning of the kairate-binding protein and calmodulin genes which are induced by an imprinting stimhlus in ducklings" Molecnlar Brain Research. 17. 351-355 (1993)

  • [文献書誌] N.Kurosawa,K.Kondo,N.Kimura,T.Ikeda,Y.Tsukada: "Molecalar cloning and characterization of avian N-methl-D-Aspartatereceptor type1(NMDA-R1)gane" Neurochemical Research. 19. 577-582 (1994)

URL: 

公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi