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1993 年度 実績報告書

可塑的視覚神経機構の生理実験と計算機・モデルによる同時探求

研究課題

研究課題/領域番号 05780598
研究機関九州工業大学

研究代表者

古川 徹生  九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50219101)

キーワード視覚神経系 / 網膜 / 水平細胞 / 可塑性 / NO / 受容野
研究概要

本研究の研究実施計画に従い,以下のことを行い,それぞれに成果を得た.(1)パソコンを用いた光刺激/データ計測装置の作成,(2)コイ網膜神経細胞による電気生理・薬理的実験,(3)網膜神経細胞回路網の計算機によるシミュレーション.
(1)本補助金で購入したパーソナルルコンピュータを用いて,光刺激装置,及びデータ計測装置を作成した.本刺激装置により,さまざまな形状・色を持つ光刺激を柔軟に生成できるようになった.また自動データ計測装置により,従来よりきめ細かい解析が可能になった.
(2)本研究対象である,視細胞と水平細胞間の可塑的シナプスは,波長に応じて水平細胞の受容野を調節する働きがあり,また暗順応によりその働きが消失することがわかっている.暗順応によって受容野の波長依存性のなくなった状態でSodium Nitroprusside(SNP)を投与したところ、受容野の波長依存性が現れた,すなわちSNPは明順応と同じ効果を持つことがわかつた.また入力抵抗など,その他の順応によって生じる現象に対してもSNPは同様の効果があった.このことは,近年中枢系で注目されているNOシステムがこのシナプスでも働いている可能性を示す,重要な結果である.
(3)網膜神経回路網の計算機モデルを作り,シミュレーションによって本シナプスの働きを調べた.このモデルにより,このシナプスが起こす現象の定性的な再現はできた.しかしまだ定量的モデルまでは至っていない.
今後は開発したシステムを用いて,この可塑性シナプスの機能的意味を明らかにすると共に,定量的のその機能を説明しうるモデルの作成が課題となる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Furukawa,T.: "Anew synaptic mechanism which controls the receptive field size of visual second order neurons" Proc.Intl Joint Conf.on Neural Networks,IJCNN´93. 2. 1104-1107 (1993)

  • [文献書誌] Djamgoz,M.: "Short-wavelength signal transmission H1 horizontal cells in carp retina:involvement to APB receptor octivated by light adaptation" Proc.of the Physiological Society. 126- (1993)

  • [文献書誌] Yamada,M.: "APB-sensitive synaptic receptor mechanism narrows receptive fields size to blue stimuli in H1 horizontel cells in carp retina." Japanese Journal of Physiology. 43supl.2. 201- (1993)

  • [文献書誌] Saito,T.: "Control of receptive field size by APB-seusitiue synaptic receptor mechanism in H1 heerizontal cells of carp retina" Japanese Journal of Physiology. 43supl.2. 33- (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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