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1993 年度 実績報告書

性ステロイドホルモンはストレス性脳組織変性による学習成績低下を防ぐか?

研究課題

研究課題/領域番号 05780602
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

田中 淳一  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00212035)

キーワードアンドロジェン / テストステロン / 明暗弁別学習 / ストレス / 海馬 / 扁桃核 / アセチルコリン / 記憶
研究概要

性ステロイドホルモンがストレスによる神経細胞破壊の防御機構としての働きを持つこと、特に記憶に関与する神経系において重要な役割を演じている可能性を検証するため、ストレス負荷とアンドロジェンレベル、そして学習成績の相互関係について検討した。去勢群、去勢群+テストステロン、対照群のラットを5週間の寒冷曝露負荷の有無により6群にわけた。明を正刺激とするスキナ-型明暗弁別学習(元学習)では3-6セッションにおいて去勢群は他群に比べ正反応率は有意に低い値を示したが、その他の30セッションまでの間と続いて行った暗を正刺激とする逆転学習の30セッションでは、いずれの群間においても差は認められなかった。このことは、テストステロンが寒冷ストレスによる学習初期の成績低下を防ぐことを示している。一方、明暗弁別学習は扁桃核が深く関与すること、また脳組織標本の観察から扁桃核ではこの種のストレスの影響は小さいことが示唆された。海馬と扁桃核のアセチルコリン放出量を測定したが群間差は見られなかった。脳組織標本は、海馬の神経細胞の変性はストレスを負荷した去勢群において顕著であることを示した。また、海馬へ投射する中隔アセチルコリン作動性ニューロンの絶対不応期は他群に比べ去勢群に有意な延長が認められた。これらの結果より、アンドロジェンが記憶に関与する海馬神経細胞および海馬へのアセチルコリン作動性ニューロンのストレス性組織変性および機能低下の阻止作用を持つことが判明した。従って、海馬の重要な役割の1つである空間認知の試験等を行う必要がある。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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