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1993 年度 実績報告書

ステレオコンプレックス化法を用いた新規医用マイクロスフェアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 05780648
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

辻 秀人  豊橋技術科学大学, 技術開発センター, 助手 (60227395)

キーワードポリ乳酸 / ステレオコンプレックス / 生体内分解性材料 / マイクロスフェア / ポリラクチド / DDS
研究概要

ポリ乳酸はDDSの分解性マトリックスとして応用されている。ポリD-乳酸(PDLA)とポリL-乳酸(PLLA)を別々に高温でアセトニトリルに溶解し混合後、静置すると、D体とL体がステレオコンプレックスを形成することによりミクロンオーダーの微粒子が生成した。この方法によれば、従来の方法と異なり、乳化剤および攪拌・減圧操作を必要とすることなく、粒径分布の狭い分解性マイクロスフェアの調製が可能であった。
以下に生成した微粒子の形状のコンプレックス化条件依存性を報告する。溶液濃度1g/dL、温度80℃、PDLAとPLLAの混合比が1:1、およびPDLAとPLLAの分子量が3万の条件を標準条件とし、その中の1つのパラメータを変えてパラメータ依存性を検討した。(1)分子量依存性…PDLAとPLLAの分子量が40万程度であれば球形のマイクロスフェアが、分子量が3万程度では円盤状の微粒子が、分子量3千で単結晶マットが得られた。(2)PDLAとPLLAの混合比依存性…PDLA:PLLA=1:1の等量混合では円盤状、1:10または10:1と不等量混合では三角盤状の微粒子が得られた。(3)溶液濃度依存性…溶液濃度が0.1-1g/dLでは独立した円盤状、3g/dLでは微粒子が互いに結合した楕円体球状、10g/dL以上では互いに結合した球状の微粒子が生成する。この場合、濃度が30g/dLを越えると結合した微粒子が3次元的構造を形成し微粒子の折出が起こらなくなる。(4)溶液温度依存性…溶液温度が0-25℃の時は球状の微粒子が、50℃では楕円体球状、80℃では円盤状の微粒子が折出した。
折出微粒子サイズはいずれの条件でもほぼ3-5mu程度であった。以上の結果より、コンプレックス化条件を変えることにより、乳化剤および攪拌・減圧操作を必要とせずに、種々の形状の分解性医用マイクロスフェアの調製が可能であることが明らかとなった。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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