1990年〜1991年にかけて行った、第II次日米国際児のアンケート調査の集計が完了した。その5年前に行った、第I次調査の際に使用したアンケートの質問事項にわずかの変更を加えた用紙を利用したため、比較検討ができたことは幸いであった。 今回のII次調査は、日本とアメリカで郵便法を中心として、一部留め置き法も並用し、アンケート用紙の配布と回収を行ったところ、国内から71通、アメリカから166通で、有効回収数は計237通であった。I次が79通であったのに比べ、これだけ増加したのは、アメリカで3名の調査協力者を得て、アメリカでの回収先をUCLAの社会学部にしたからであろう。 被験者の性別は、男96名、女136名、無回答5名で、年齢構成は、男性は13歳から46歳、平均は20代後半、女性は、10歳から48歳で、平均は20代半ばであった。約30%が国内から、約70%がアメリカから回収されたことを念頭におき、以下の結果を考慮して欲しい。 現有国籍を聞くと、日本5%、米国71%、日米23%、その他1%であった。そこで、全員が二重国籍を所有していると仮定して、国籍択一選択をせまったところ、日本を選択した者15%、米国75%、その他10%となった。その他の質問項目は、言葉に関するもの、心の割合い、経済、インターナショナルスクール通学の有無、行動様式、居住国等であった。そこで国籍選択とどのような要因に交互性がみられるかと考えクロス表を作成したところ、(1)現有国籍、(2)居住割合、(3)現住所、(4)私から父への言葉、(5)私から母への言葉、(6)第一言語、(7)第二言語、(8)文化傾斜、(9)行動傾斜、(10)母親の現有国籍であった。つまり、国籍選択に影響を及ぼす要因は、大まかに言って現住所、言語、文化・行動パターン、現有国籍等であることが判明した。そのうち最初のふたつの要因は、第I次調査の結果と同じであることに興味をひかれるだけでなく、どうも、これらのふたつが特に決定的な要因ではないだろうかと考えている。
|