研究概要 |
平成5年度研究計画に従い第0段階の準備作業としての全文献(第一次・二次文献)のリスト化を行いIBM互換機のデータベース・プログラムにデータ入力し文献リストのデータを本研究の小項目毎に分類整理した。第一次文献収集のためにRudolf>Weltchronik<写本所蔵ヨーロッパ当該図書館,古典古代後期・中世ラテン語年代記写本所蔵の各図書館と連絡を取った。国内の各公共・大学図書館を利用し,テクストデータ処理関係図書の有無の確認後注文,複写した。国外では1992年夏期にDAAD再招待プログラムで利用したTubingen大学図書館・新文献学部図書館と密接に連絡を取り大学図書館からP.Comestorの5種類のInknabel>Historia scholastica<(1473,85,86)のマイクロフィルム化を依頼入手し,現像複写を名古屋大学図書館で行った。第1段階:文献資料の収集整理で第一次文献Rudolf von Emsの全写本,古典古代後期のEusebius,Hieronymus>Cronicon<,Isidor>Cronicon<,>Etymologien<,H.Augustodunensis>De Imagine mundi<等の写本所在の確認後,マイクロフィルム化を各所蔵図書館に依頼した。第二次文献>Lexikon des Mittelalters<,世界年代記文学に重要な>Septua Ginta<,ギリシャ語聖書写本関係図書を購入した。第2段階:TUSTEPプログラムの導入,テクストデータ処理の理論的考察ではTubingen大学情報処理センターOtt教授からTUSTEPプログラムの個人ライセンスを受けIBM互換機に導入した。Ott教授と密接な連絡を取りTUSTEPに関する情報・助言を定期的に得てプログラム作成に利用した。名古屋大学「言語文化論集」(1993)に>Weltchronik<日本初独訳・和訳・注釈を発表し,独訳の際にBumke(Koln),Haubrichs(Saarbrucken),Haug(Tubingen)各教授に貴重な助言を得た。また日本独文学会編「ドイツ文学」(1993)に"Zur Definition und Entwicklung der Textsorte>Weltchronik<"を発表した。今後の課題は写本分析のためのTUSTEPプログラムの応用・改良である。
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