研究概要 |
研究計画第一段階として第一次文献のマイクロフィルム化依頼と第二次文献収集を行なった。中高・中低独語年代記写本及びRudolf von Ems:>Weltchronik<のファクシミリ版のマイクロフィルム化及び郵送を依頼した。更に、以下の中世独語年代記関係図書(>Verfasserlexikon<; >Fruhe deutsche Literatur und lateinische Literatur in Deutschland 800-1150<; >Autorentypen<等)を入手した他、マイクロフィルム現像複写用のリーダープリンター用紙を購入した。次に文献整理作業として、特にRudolf:>Weltchronik<の重要な原典の一つである神学者Petrus Comestorの>Historia scholastica<(1473年,1485年,1486年他)のマイクロフィルムの現像・複写を研究補助を雇って集中的に行なった。この結果生じたPetrus Comestor>Historia scholastica<の複写されたテクストを、研究補助を雇い、研究室のIBM互換機にデータ入力し、現在もこのデータベース化の作業が進行中である。スキャナーによる自動光学読取りは現在まだ試行段階であり、学習機能による入力の効率化は今後の技術的課題である。更に作業過程の効率化のため、研究室のIBM互換機の能力を向上を図った。SCSIボード、ハードディスク(1GB)を増設し、アプリケーション及びCD-ROM辞典の利用を可能にするため、内蔵型CD-ROMドライヴを導入、作業を効率化した。Comestor写本分析の際に生じた不明確な箇所の読取り及び解釈について日本大学の有泉教授から直接に有益な指導・助言を受けた。また、Tubingen大学の情報処理センターのou教授から、TUSTEP応用の際の写本分析情報処理上の貴重なプログラム上の助言を得た。理論成果としては『ドイツ言語学辞典』にRahmenとScriptの項目を、年代記文学と対照される中世叙情詩に関し>Kreuzzug und Minne...<を、中世自然学に関し「>Der altdeutsche Physiologus<における自然学解釈」を執筆発表し、1995年IVGヴァンク-ヴァー学会でRudolfとWolframの作品の序詞に関して研究発表を行なう。
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