どのようなパソコン上でも(メーカーを問わず)動くプログラムを開発するためのハードとソフトを購入し、インタラクション方式でゲームを展開できる簡単なサブ・プログラムをいくつか作成(プログラム作成ツールは、ウインドウズ上で走るオーサーウエアー・スター(マッキントッシュ版への移行も可能))。これにより、最新のプログラム開発機材により、プラグラマー等の援助を仰がなくてもインタラクティブなプログラムを組むことができることが分かった。尤も、技術的な困難さも如実になった。これは、ウインドウズ上でプログラムを組むことがまだ緒についたばかりのためということと、そのツールのマニュアルが不親切なためである。そこで、東京に出向きそのツールの日本語版開発担当者から直接アドバイスをもらったが、ノウハウは秘密の要素があり、意図的だということが分かった。また、こちらがこう出れば、相手方(パソコン)はこう出る、ああ出る、といった選択肢を羅列し条件づけてゆくだけではなく、合理的な対応予測以外に、相手方の行動にパッと"反応する"形で、即興的に応じてしまう行動がもっと注目されてよいことが分かった。 次に、パソコンを使わないゲーム方式の法学教育を試みられてきている方々(萩原金美・太田勝造・和田仁孝・樫村志郎教授や、廣田尚久弁護士)や、アメリカでネゴシエーション教育プログラムを受講された方(佐藤彰一助教授)、各方面の実務家(破産・保全部裁判官・弁護士・司法書士等)から、実践経験に即した幅広い教示を受けた。そして、裁判に関するゲームの部分について、「裁判を楽しくする実験即興劇企画」という題で、「交渉と法」研究会(全国の各法分野の法学研究者・社会学者・心理学者・弁護士・裁判官・司法研修所教官など参加)で報告し、さまざまな角度からの批判を受けた。
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