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1994 年度 研究成果報告書概要

会計とイメージ形成に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05803015
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 会計学
研究機関神戸大学

研究代表者

中野 常男  神戸大学, 経営学部, 教授 (60093522)

研究分担者 高須 教夫  近畿大学, 商経学部, 教授 (70148732)
山地 秀俊  神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40127410)
研究期間 (年度) 1993 – 1994
キーワード会計 / 簿記 / ロビンソン・クル-ソ- / ディスクロージャー / アニュアル・レポート / イコノロジー / パブリック・イメージ / 連結財務諸表
研究概要

本研究から知見できたことの一つは,歴史的にかなり長いタイム・スパンで見た場合に,「会計」ないし「会計人」が小説や戯曲,映画等に登場する頻度が徐々に高まるとともに,そこに描かれる「会計」ないし「会計人」の社会的位置づけも,それがカリカチュア化されているケースも見出されるものの,相対的には上昇しているということである。特に20世紀に入って以降の「会計」ないし「会計人」の社会的イメージの向上は,資本主義の発展に伴う巨大企業の出現により,「会計」を通じての巨大組織の管理・統制が社会的に意義あるものとみる認識が一般大衆の間に広まっていったことの反映であろうと考えられる。
また,アメリカの企業,特に巨大企業が公表するアニュアル・レポートの中に現れる写真資料のデータベース化を通じて,そこで用いられている写真には,図像解釈学的にみていくつかのパターンがあることがわかった。つまり,それは,企業経営史的課題と,写真技術的要請という二つの要因に規定されながら,巨大企業は,独占批判(寡占批判)に対する宥和化戦略の観点から,想定される読者層に応じて各ジャーナルに掲載される写真を使い分けた。しかも,初期には,写真が最大のイメージ創造手段であったので,ある種のパターンの写真を多用することにより,潜在的に労働者や消費者等の行動を規定することが可能になったのである。今日では,かかる機能は,静止画である写真から,テレビやビデオのような動画に移行していると考えられ,写真論的研究から映像論的研究へと,視角の拡大が必要であることが明らかになった。
以上のように,もっぱら数値情報を提供する「会計」の機能分析に対して,これまでとは異なった分析視角である「イメージ」という観点からのアプローチがある程度有効であることがわかった。萌芽的研究として科学研究費補助金を与えられた本研究での成果をふまえて,一層の拡大された研究の必要性が認識された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 中野常男: "『ロビンソン・クル-ソ-』と貸借対照表-ダニエル・テフォーの簿記論研究-" 国民経済雑誌(神戸大学). 170. 65-91 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山地秀俊: "アニュアル・レポートのイコノロジー-アニュアル・レポートの立法論的基礎を求めて-" 国民経済雑誌(神戸大学). 172. 37-54 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 高須教夫: "連結財務諸表におけるイメージの錯綜" 商経学叢(近畿大学). 42. 363-371 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tsuneo NAKANO: ""Daniel Defoe and His Treatise of Bookkeeping"" The Kokumin-Keizai Zasshi (Journal of Economics & Business Administration). Vol.CLXX,No.5. 65-91 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hidetoshi YAMAJI: ""Iconology of Annual Reports"" The Kokumin-Keizai Zasshi (Journal of Economics & Business Administration). Vol.CLXXII,No.2. 37-54 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Norio TAKASU: ""The Complication of Image on Consolidated Financial Statements"" Shokei-Gakuso (Journal of Business & Economics). Vol.XLII,Nos.2&3. 363-371 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-09  

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