研究課題/領域番号 |
05804012
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩田 高広 名古屋大学, 理学部, 助手 (70211761)
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研究分担者 |
森 邦和 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70022663)
堀川 直顕 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70022697)
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キーワード | ビームホドスコープ / ゲイト型 / 高強度ビーム |
研究概要 |
平成5年度には、高圧パルススウィッチの基礎的テスト、及び光電子増倍管のパルス高圧に対する動作テストを行なった。 高圧パルススウィッチについては当初、トリガーに対し50nsの遅れで高圧パルスを発生できる事を期待していたが実際は100ns程度の遅延時間を持ってしまう事が明かになった。この問題はメーカーとの協力で今後改善していかなければならない。また、この高圧パルススウィッチの出力は大きな負荷に対しては高圧パルスの波形がなまってしまうという問題が生じた。通常、光電子増倍管のデバイダーは、1メガオームを越える負荷を持つので、デバイダーを改造しなければならなかった。また、高圧パルスによるスウィッチングノイズの問題はコンデンサーを適当に捜入することによって避けるようにした。 パルス高圧に対する光電子増倍管の動作チェックは、光電陰極に1KV程度の幅200nsのパルス高圧を周波数1KHz程度で印加し、ライトパルサーからの光を照射することにより行なわれた。パルス高圧を印加した場合には確かに、パルス区間のみ、光電子増倍管のシグナルが確認された。更に、ライトパルサーからの光の周波数を10MHzまで上げてもシグナルの大きさに変化が認められなかった。通常、1MHzを越えるような高強度のビームを計測する場合は光電子増倍管の出力が減衰し、測定を因難にするという問題がある。これは、光電子増倍管内の電子の量が増すため、デバイダーの電流が減少し、後段ダイノードに適切な電圧がかからないためである。この解決の為にはデバイダーの後段に直接高電圧を印加したり、エミッターフォロワーを取り付けるなどの手当をおこなう。ところが、今回のテストで分かったのは、パルス高圧を1KHz程度で印加する場合は特別な手当を施さなくても10MHzまで問題がないということである。このことは、応用に関して新たな可能性を示しているかもしれない。また、今後、残された課題はスウィッチングノイズのをいかにして減らして行くかということである。
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