(1)光電子増倍管(PM)の高い計数時における増幅率の低下はPMの空間電流に強く依存し、数nsec程度のパルス的な電流値によらないことが確かめられた。つまり、PMは短い時間内(〜10nsec)に複数の光パルスが入射しても1秒当たりの計数率が低く抑えられれば各光パルスに対しての増幅率の低下を招かないことが確かめられた。極端な場合、1〜2nsec時間差で入射した2つの光パルスでも正常な増幅率をもって検出できることが判った。 (2)カソードと第1ダイノード間にグリッドを持つゲイト型PM(HAMAMATSUホトニクス、R1392-22)を用いて、〜10μsecの幅のゲートを10^3/secの頻度で開き、10MHzの光パルスに対する応答を観測したところゲートが完全に開ききった期間については全く増幅度の低下が生じないことが確かめられた。また、当初心配されたゲートの開閉時に発生するノイズについてはほとんど問題にならなかった。 (3)上記(1)(2)の成果によって、3x10^8/sec程度の高エネルギービームの絶対強度をサンプリング計数によって、直接測定することができると考えられ、新しいタイプのビーム強度モニターの開発についてかなり確実な見通しがついた。
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