QCDの有効理論としての南部・ヨナーラシニオ(NJL)模型に基づくカイラル相転移の現象論について、これまでの我々の仕事を中心にした総合報告を完成させた。(現筑波大学助教授初田哲男氏との共著。)これは、1994年中にNorth Holland社からphysics Reportの1冊として出版される予定である。(巻、ページ等は未定。) この過程で、NJL模型の適切なカット・オフスキームについての再検討を行い、分散関係に基づく方法が最も優れていることを示した。さらに、その有限温度への拡張を行うことができた。又、有限温度の場の理論における相転移を扱う理論としての平均場理論をファインマンの不等式に基づいて基礎づけた。これらは、本研究課題遂行の為の技術的基礎を与えるものでもある。
|