研究概要 |
1.技術的問題 理論を確立するための基盤を整備し,理論の信頼性を高めるため,ワークステーションを導入し,システムやライブラリの基本的チェックを行った.現在,必要最低限の作業は無事終了し,具体的な計算作業が行なえる状態にあるが,グラフィック関連のライブラリに関しては,なお調整中である. 2.不安定理論の再構築 解析解が求められている古典的な不安定問題(Eady Model,Charney Model等)において,全ての波数で中立となるような仮想的な「波」を定義し,その波の解を固有値固有ベクトル問題として解き,この解を基底として,モデル全体の条件を満たすように,「波」の相互作用の強さを計算し,流れの不安定問題を波の相互作用による共鳴問題に置き替えた. このようにして得られた解を,古典的な解析解と比較した結果,この新しい理論が従来の理論と等価であることが示された. 現在,不安定現象を共鳴現象と運動量を輸送する現象との両面から検討を行ない,直感的でわかりやすい物理的解釈を模索中である.
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