平成5年度クロラニル酸と希土類元素、Y、Ce、La、Nd、Euの塩を合成し、硫酸イオン、りん酸イオンの感応物質として検討した結果、硫酸イオンに対してはCLB、りん酸イオンに対してはCLLとCLNd塩が適していることがわかった。 1)CLB、CLLおよびCLNdを感応物質としたPVC膜電極を作製し、硫酸イオンに対してはCLB、りん酸イオンに対してはCLLとCLNdが優れており、CLLとCLNdを比較した場合、感度はCLNdがCLLより高いが、溶解度が大きいため再使用、耐久性からCLLの方が感応物質として優れているように思える。2)有機化合物中の硫黄の分析に適用した結果、酸素分解フラスコ燃焼法で、試料溶液のpHは3から4に低下するために、炭酸ナトリウム塩を中和剤として用いれば再現性3%以内で定量できることがわかった。3)本電極の応答機構を調べるために遊離のクロラニル酸イオンの定量につきHPLC(uv検出)法では硫酸イオン濃度が10^<-3>以上では妨害のため測定できなかった。そこで、サイクリックポルタンメトリー(CV)法で遊離クロラニル酸イオンを測定した結果、硫酸イオン濃度の増加と共に、遊離のクロラニル酸濃度、硫酸に対する電位(emf)も大きくなることがわかった。
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