• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 研究成果報告書概要

分子遺伝学的手法を用いた海産動物の群れの適応的意義と起源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05804045
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生態
研究機関高知大学

研究代表者

岩崎 望  高知大学, 海洋生物教育研究センター, 助教授 (20193724)

研究分担者 吾妻 健  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40117031)
研究期間 (年度) 1993 – 1994
キーワード群れ / ゴンズイ / ミトコンドリアDNA
研究概要

群れを形成する動物は広範に存在するが、高度な社会性を持つ動物を除き群れの成因や役割に関する実証的研究は進んでいない。本研究の目的は、海産動物で広範にみられる群れが血縁集団で構成されているのかどうかを分子遺伝学的手法を用いて解析することにより、群れの成因と起源を解明することである。研究の対象には、稚仔魚から成熟した個体まで群れを形成するゴンズイを用いた。本研究の成果は次のとおりである。
1.ゴンズイの肝臓からミトコンドリアDNA(mtDNA)を単離する方法を確立した。
2.ゴンズイのmtDNAの大きさは、約17.1Kbpであることを明らかにした。
3.mtDNAの制限酵素切断パターン地図を作成した。
4.ゴンズイのmtDNAの約70%に相当する制限酵素切断片のクローニングに成功した。
5.同一海域から採集されたゴンズイに、遺伝的変異があることを明らかにした。
6.群れを構成する個体の遺伝的変異を幼魚の群れ2つで解析した。その結果、どちらの群れも2〜3の遺伝的変異が見られた。このことは複数の母親の子供から群れが構成されていることを示している。群れの役割として従来外敵から身を守るということが指摘されてきたが、群れが複数の母親の子から構成されていること、成熟した個体も群れを作ること等から、群れが生殖の場として機能している可能性がある。
大量のサンプルの遺伝的変異の解析にはPCR法によるmtDNAの増幅が不可欠なため、9種のプライマーを用い条件を変え、PCR法によるD-loop領域の増幅を試みたが、成功しなかった。引き続き研究を継続し、PCR法を確立したい。そして、稚仔魚から成熟した個体の群れまで、できるだけ多くの群れの群れ内の遺伝的変異を解析し、群れの役割及び群れの成因と起源を明らかにしたい。

URL: 

公開日: 1996-04-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi