研究課題/領域番号 |
05805008
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
土田 縫夫 豊田工業大学, 工学部, 教授 (40023246)
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研究分担者 |
右高 正俊 豊田工業大学, 工学部, 教授 (90165994)
今井 孝二 豊田工業大学, 工学部, 教授 (30231161)
山田 陽滋 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (90166744)
大沢 潤 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (20176861)
MASATOSHI Migitaka Toyota Technological Institute Faculty of Engineering, Professor (90165994)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | イオンドラッグ力 / マイクロアクチュエータ / 太陽電池 / ガリウムひ素 / マイクロマシン |
研究概要 |
以下に述べる各要素技術の開発により、Micro Solar Boatの走行実験に成功した。 まず、Micro Solar Boatの動力源としては、新たに4連直列マイクロ太陽電池を試作した。これは、平成5年度に開発した1段GaAsマイクロ太陽電池を4個直列接続した構造のものである。これにより、開放電圧3.8V、2.3mW光照射時の短絡電流19μAを得た。後述の流動実験により、必要な電圧は電極間隔20μmの場合3Vであることが判っており、上記の特性はこれを満足している。直列構造では短路状態の太陽電池素子があると開放電圧が低下するため、歩留りよく素子を作る必要がある。このマイクロ太陽電池の試作・評価においては、pn接合構造の観測に平成5年度導入のEBIC像観察装置を用いた。 Micro Solar Boatの駆動部である微小櫛形電極の試作・評価では、一様な流動が起きやすいように電極寸法を一部変更し、また、電極金属の溶解を防ぐためバリア層を保護膜を兼ねた構造に改良した。この微小櫛形電極によって、作動流体中での電流電圧特性と流動特性の観測を行なった。プチルアルコールを用いた場合、印加電圧3Vのとき約0.1μAの電流が流れ、流速約1cm/sの流動が観測された。 これらのマイクロ太陽電池と微小櫛形電極とを一体化するために、Micro Solar Boatの全体構造を設計し、ガリウムひ素ウエハに貫通孔を開けるビアホール(via-hole)技術、凹凸のあるウエハ面上への配線形成技術を開発した。完成したMicro Solar Boatは大きさ0.8mm×1.2mm×0.15mmで、純水水面に浮かべて走行実験を行なった。駆動には本年度導入した高出力半導体レーザの光ビームを用い、動作状態をビデオレコーダで記録し、解析した。その結果、秒速0.1mmの直進運動が4分間にわたって観測でき、イオンドラッグ力を応用したMicro Solar Boatの開発に成功した。 また、同じイオンドラッグ力によるEHD流を応用する径4mmの回転形アクチュエータを試作し、3000rpm以上の回転速度のものの開発に成功した。
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