研究概要 |
研究代表者らは先に,人工衛星の大形化に伴う姿勢制御エンジン用燃料の増大に対応して,燃料ポンプをダイレクト駆動することによりシステムの高効率化と軽量化を図る「リニアモータポンプ方式」を提案し,実際にリニアパルスモータ及びドライバを試作してモータの特性解析や設計に関する研究,さらに可動子にバネをつけてサイクル運動系を構成した場合の動作解析に基づいた制御アルゴリズムの開発を行うことにより,リニアモータポンプ方式の実用化に目処をつけることができた。実用化にはさらに,モータの最適設計及び最適制御法の確立が必要となるが,本研究(平成5〜6年度)ではリニアパルスモータに加えてリニア誘導モータ,リニア直流モータを設計・試作して実験,理論の両面から,小ストロークのサイクル運動を行う用途に適し,最も高効率で小形軽量化が可能なリニアモータの選定と最適制御法の検討を行うものである。 本年度に得られた主な成果は,以下の通りである。 1.リニア誘導モータ駆動用インバータの製作を完了した。 2.リニア誘導モータについて,目的関数,制約条件を自由に設定できる非線形最適化手法を用いた最適設計プログラムを使って重量最小条件で設計したリニア誘導モータの製作を完了した。 3.リニア直流モータ設計のための,文献調査及び解析手法の評価を行った。現在,最適設計プログラムへの組み込み作業を行っている。 4.モニタ用パソコンを用いて,モータの制御及びリニアエンコーダからの位置情報の取込み・表示を同時に行う,制御・計測システムの製作を完了した。
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