まず、持続可能な水資源開発を定義しなければならない。上水、工水、農水、レクリェーション、貯水池水位変化、発電、河川生態系、漁業、舟運などの異なる目的をファジイメンバーシップ関数で表し、ファジイ理論によりグレードの最大化と言う意味で、計画目的を明らかにした。 曖昧性を考慮した水資源開発に関しては、4ステップ後(1ステップは15〜20年で、全体として60年〜100年後)を想定し、変化する入力および水需要での最適配置・規模決定を行った。すなわち、地球温暖等による水利用可能量の変化とそこでの曖昧性を加味すると共に、人口増加や高度文明による水利用形態の変化を考慮して、ファジイ理論による問題の定式化、ならびに、最適解の抽出を計った。 つづいて、建設順序として、4ステップでのステップ間の曖昧性の変動、予算の限定を制約として、水需要量の不足量の最少化を目的として、ファジイDPにより解の導出を計った。動的計画法では、施設の組合せを状態量、決定量と定義し、0、1の組合せでの最適系列を求めた。 水質汚濁物質と河道内での浄化能力を考慮した、BOX型の水量・水質の変化解析モデルを提案し、河道区分内での水質変化の推定とそれに伴う環境への影響度を運命予測モデルとして展開した。 流域上下流での政策・目的間のコンフリクトを解消し、合意点を求めるために、ゴンフリクト解析による探索を行った。しかし、目的間の重みや嗜好の順位の資料が入手できず、実流域での適用は出来なかった。 なお、観測情報が少ない場合の管理方式として、経験より情報量の曖昧性を定義する場合や噂、伝聞などの感覚的な情報を利用した流量予測と貯水池管理を明かにした。その結果、長期的な予測を取り入れた操作計画が可能となった。
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