pブロック含有導電性セラミックスとして、超電導体の方面からBaPb_<1-x>Bi_xO_<3.00>、透明導電体の興味からMgIn_2O_4を研究対象に選定し、以下の事を明らかにした。 (1)MgIn_2O_4の薄膜化 X線・電子線吸収による伝導バンドの実験では、多結晶焼結体よりも薄膜の方が解析が容易である。本研究では新透明導電体、MgIn_2O_4をスパッタリング法を用いてガラス基板上に世界ではじめて薄膜化した。(Jpn.J.Appl.Phys.に掲載)これにより本物質の実用化が前進したのみならず、伝導バンドの解析も容易になったと考えられる。 (2)BaPb_<1-x>Bi_xO_<3.00>のPb、Bix線吸収端測定 上記物質はXの値により、金属、超伝導体、半導体と性質を変えるものである。Xの値を変化させて、結晶構造、導電特性、Pb・BiのX線吸収端を測定し、これらに対応があるか否かを研究した。結晶構造、導電特性のxによる連続的な変化は伝導バンドの連続変化を示唆し、x線吸収の結果と対応した。(一部をRes.Rep.Eng.Mater.TITに掲載、Full PaperをPhysica Cに投稿中) (3)BaPb_<0.75>Bi_<0.25>0_<3-σ>の酸素欠損と構造・輸送特性との対応 上記物質は酸素欠損量δにより結晶構造・輸送特性が大きく変化する事を明らかにした。(Solid State Commun.に掲載)δによる伝導バンドの変化については、現在x線吸収のみならず高温熱天秤・高温導電率・ゼーベック係数の温度変化測定などを通じて解析中である。
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