研究概要 |
当該年度においては実験的には (1)放射光小角/100散乱の静的構造因子のより早期での測定 (2)小角/100同時測定システム(チャンバー及びビームストップ制御系)の立上げ を行なった。(1)についてはスピノーダル分解後期に相当する時間領域でのデータまでを取得し,当初の「コングルエント・オーダリング〓スピノーダル分解の分解パスが実際には別々に起こる現象ではなく,初期のオーダリングの領域の大きさは組成のゆらぎと同程度以上にならない」という予想を裏付けることができた。チャンバーについては本年度に動作確認等の調整を終了し,6年度に同時測定のためのシステムとして放射光実験を開始する。 計算機実験においてはカイネティック・イジングモデルによる相分解シミュレーションを行ない,コングルエント・オーダリングは短範囲→中範囲的な特性を持つこと,組成の変化は規則度の上昇と強くカップリングしていることが明らかとなった。計算機実験で得られた組織変化の特徴は相分解後期の実験結果をよく説明する。
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