1)松島は、ビルマおよびその他諸国におけるタウンヤに関するドイツ語文献を収集した。その整理・翻訳の過程で、ブランディスが当時ビルマで考案したとされるタウンヤ法が徐々に普及し、地元住民の社会経済に浸透するにつれ、彼らの生活様式が変化する傾向にあったとの記述があったことが明らかになった。 2)増田は、森林総合研究所に所蔵されているテクトーナ誌の複写を行ない、現在それらの整理をおこなっている。 3)またドイツ人植物学者にして初代ビルマ森林局長官となったブランディスの著した報告書・書物、および彼の後進のブランフォード、リベントロップらの報告書の一部を文献サービスを通じて英国図書館から取り寄せるとともに、イギリス植民地期のインド及びビルマの林業等に関連する図書を購入した。その過程で、ブランディス招聘ならびにタウンヤ法成立に至る経緯を解明するためには、それ以前の森林官の活動を知ることも重要であると判明したため、次年度以降はファルコナーらの報告書の収集を行なう予定である。 さらに、天理図書館、京都大学東南アジア研究センター等において、旅行記を中心に19世紀の住民社会に関する文献を収集した。加えて、東北大学地理学教室等において、西アフリカ諸国の統計資料および年次報告を集め、人口分布・林野率・農耕技術などに関する一般的情報から地域の概況を明らかにした。
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