研究課題/領域番号 |
05806021
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 博一 東京大学, 農学部(林), 助教授 (70174810)
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研究分担者 |
木佐貫 博光 東京大学, 農学部(林), 助手 (00251421)
仁多見 俊夫 東京大学, 農学部(林), 助教授 (20192255)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 北方天然林 / 樹種特性 / 林分構造 / 現存量 / 個体数 / 後継樹 / 択伐施業 / 地形要因 |
研究概要 |
天然林を構成する主な樹種の出現傾向について、平均値や出現頻度分布などの相対的な指標から定量的な評価をおこなった結果、現存量・個体数ともに優位を占めるトドマツの出現傾向が天然林全体の樹種構成に影響を与えていることが明確になった。本研究ではこの点について定量的な評価を加えた。解析の方法は740箇所の標準地調査資料と地況要因の解析結果を用い、各項目間の相関関係を求めた。地況要因と主要樹種構成比の相関関係は以下のとおりである。標高との間で最も高い正の相関が認められるのはエゾマツである。次にダケカンバ、シナノキとなる。負の相関があるのはトドマツ、ミズナラである。地形では凹地形に正の相関があるのは、ニレ、シナノキ、ヤチダモ、カツラ、エゾイタヤである。凸地形に正の相関があるのはトドマツである。斜面方位と最も高い相関があるのは南向きのトドマツと北向きのシナノキである。このほか、南向きではアカエゾマツ、北向きではニレ、カツラ、エゾイタヤ、エゾマツ、ヤチダモに相関がある。斜面傾斜と正の相関を示すのはカツラ、アカエゾマツ、ウダイカンバ、負の相関がエゾマツ、ミズナラであり、断面積合計は傾斜と正の相関を示す。トドマツとはほとんどの樹種が負の相関を示す。アカエゾマツだけが僅かに正の相関がある。負の相関が高いのはシナノキ、ニレ、エゾイタヤ、カツラ、ヤチダモ、エゾマツである。トドマツは、断面積合計と正の相関がある。エゾマツはトドマツの負の相関が高いほかは他の樹種との相関は低いが、ダケカンバ、シナノキ、ヤチダモと正の相関、ミズナラ、エゾイタヤと負の相関がある。エゾイタヤはトドマツ、アカエゾマツ、エゾマツの針葉樹3種と負の相関、シナノキ、ウダイカンバと正の相関があり、断面積合計との負の相関がニレに次いで高い。シナノキはトドマツとの負の相関が最も高く、アカエゾマツ、ミズナラとも負の相関があり、ニレ、カツラ、エゾイタヤと正の相関がある。さらに、ニレとカツラは同じ傾向を持ち、トドマツ、アカエゾマツ、ミズナラと負の相関があり、シナノキと正の相関がある。ウダイカンバとハリギリはトドマツとの負の相関を除き、どの地況因子、樹種とも高い相関を持たない環境適応能力の高い樹種である。
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