• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

エマルジョンロジン-アルミニウムイオン系におけるサイズ発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 05806023
研究機関東京大学

研究代表者

磯貝 明  東京大学, 農学部, 助教授 (01918179)

キーワードロジン / アラム / サイズ / アルミニウム / 熱分解ガスクロマトグラフィー / 紙 / 硫酸アルミニウム / セルラーゼ
研究概要

エマルジョンロジン-アルミニウムイオン系のサイズ発現機構に関する基本的な問題点は、 1)パルプ繊維へのロジン成分のリテンション機構、 2)リテンション後のシート内での分布状態、 3)リテンション後のロジン成分の構造変化、3) それらとサイズ発現との相関と言える。本年度は、ロジン添加シート中の少量のロジン成分を熱分解ガスクロマトグラフィー(PY-GC)によって定量する条件を確立し、シートのサイズ度とロジン量との相関を求めることであった。
シート約5mgに水酸化テトラメチルアンモニウムをロジン成分のカルボキシル基のメチル化剤として添加し、450℃で熱分解することにより、PY-GCによりロジン成分を定量できることを見いだした。そこで、ロジン添加量、硫酸アルミニウム添加量、パルプ中のカルボキシル基量を変化させて調製した種々のシート中のサイズ度とPY-GCによって得られたロジン量との相関を検討し、以下の新たな知見を得ることができた。
1) pH=4〜7の条件では、ロジン成分量とサイズ度は正の相関があった。
2) パルプ中に少量含まれるカルボキシル基を接点としてロジン成分が吸着、リテインされる機構が明らかになり、パルプ中の水酸基はロジンのリテンションに関与していないことが明確になった。
3) パルプ中のカルボキシル基に疎水性基を共有結合で導入してもサイズ性が現れないことから、シート中のロジン成分は分子オーダーで分布しているのではなく、ある程度の凝集体として分布していることを示唆している。
4) セルラーゼ処理によるシート中のロジン成分の分析から、ロジンの一部はアルミニウム塩を形成してサイズ性が現れている。
5) アルミニウムイオンはパルプ中のカルボキシル基を接点としてオリゴマーを形成している可能性がある。

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi