ラジコンヘリは慣行のパイプダスターに代わる新しい水稲防除手段で佐賀県鹿島市農協のヘリ防除組合における稼動実態を計測調査した結果次の点が明らかとなった。 (1)水稲防除の作業能率は大区画の装備水田ではRa当たり約8分と極めて高く、作業精度は慣行の移植栽培の下ではパイプダスターとほとんど変わらない。 (2)薬剤の積載量が1回10l、10kgと限られているため、詰め替え作業によって飛行が小さく分断されている。このため、機体の構造を改善する必要がある。 (3)風速4mまでは飛行が可能であるが、操縦性の改善とオペレーターの訓練は不可欠で、少なくても飛行操縦、薬剤散布操作、飛行監視、薬剤運搬詰替え担当のほか、交替要員を含めて計4〜5人のオペレーターを確保しなければならない。 (4)同一団地内にヘリ防除の対象圃場とそうでない圃場、および利用農家と不利用農家が混在していて、これが利用効果を減殺している。それゆえ、水稲栽培の品種別団地化と全利用体制を確立する必要がある。 (5)麦、大豆、野菜、果樹などの防除に利用範囲を拡大し、また水稲の直播、除草剤や肥料の散布などにも多面的に利用して、単位当たり利用経費を引下げる方法を検討することが今後の課題である。
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