屠場由来牛卵巣を実験室まで運び、採取した卵母細胞を5%牛血清+0.01mgFSHを含むTCM-199培地内に移し、38.5℃、5%CO_2気相条件下で30〜32時間培養したのち、同液内で7%エタノールで10分間感作させ、第2極体の放出を阻止するためサイトカラシンD液内で5時間培養して2nの単為生殖卵を作出して実験に供した。授精卵は同様に屠場由来牛卵母細胞を5%牛血清+0.01mgFSHを含むTCM-199培地内に移し、38.5℃、5%CO_2気相条件下で20〜24時間成熟培養したのち、体外受精して2〜16細胞期に発生したものを用いた。単為生殖卵と受精卵との集合は次の要領で行った。 (1)受精16細胞期の2ブラストメア-を4細胞期の単為生殖卵と集合 (2)受精16細胞期の4ブラストメア-を4細胞期の単為生殖卵と集合 (3)受精8細胞期の4ブラストメア-を単為生殖8細胞期の4ブラストメア-と集合 (4)受精8細胞期の8ブラストメア-を単為生殖8細胞期の8ブラストメア-と集合 これらの集合した卵を5%牛血清+5μg.m^<-1>インスリン+50μg.m^<-1>ゲンタマイシンを含むTCM-199培地に移し、38.5℃、5%CO_2気相条件下で8日間培養した。 これらの実験の結果、受精卵と単為生殖卵の全卵同士を集合したものでは2/16、4/16受精卵を4/4単為生殖卵、4/8受精卵を4/8単為生殖卵とを集合したものに比べて桑実胚や胚盤胞胚への発生率が有意(P<0.05)に高かった。また(2)で集合した胚を移植した1頭の受卵牛からXYの染色体を持つ1卵性双子、(4)で集合した胚を移植した受卵牛からはXXXYの染色体を持つキメラ牛が得られた。
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