• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

高分子糖鎖による酵母・植物プロトプラスト細胞の安定化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05806043
研究機関三重大学

研究代表者

久松 眞  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30107099)

研究分担者 山田 哲也  三重大学, 生物資源学部, 教授 (90023457)
キーワード酵母プロトプラスト / 再生促進効果 / トリプルヘリックス構造 / β-1,3-グルカン / シゾフィラン
研究概要

水溶性β-1,3-グルカン(シゾフィラン)が、約千倍の酒酵母プロトプラスト再生効果を示すことを見いだしたので、このような細胞を安定化する生理機能の発現が三本鎖構造によるものなのか、一本鎖構造によるものなのかを調べるため研究を行い、下記の成果が得られた。
1.シゾフィラン(分子量146万)を0.01M硫酸を含む85%DMSOに溶解後、100度5時間処理を行い、セミ分取型ゲルクロを繰り返し運転して十種類の低分子化試料を調製した。GPC-LALLA法でそれぞれの分子量を測定した。
2.分子量の違いから、FII(90kDa),FIV(66kDa),FVI(36kDa),FVIII(5.7kDa)の試料を選び、染料との複合体形成能や酵素の分解性特性を詳細に調べ、低分子化試料の糖鎖の構造を調べた。その結果、FII,FIV,FVIは三本鎖構造であり、FVIIIは一本鎖構造であることが分かった。
3.これらの試料について、酵母プロトプラスト再生促進効果を調べたところ、FIIとFIVは強く、FVIは中程度の活性を示したのに対し、一本鎖構造のFVIIIは全く活性を示さなかったことから、シゾフィランの酵母プロトプラスト細胞を安定化させる機構は、β-1,3-グルカンの三本鎖構造(トリプルヘリクス構造)が重要であることが分かった。この結果は、β-グルカンの抗腫瘍性活性の発現機構と非常によく類似していることから、β-1,3-グルカンの動物細胞に対する機能の解明にも、本研究の成果は役に立つ可能性が示唆された。

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi