研究課題/領域番号 |
05807006
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
大坂 寿雅 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究員 (30152101)
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研究分担者 |
早石 修 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 所長 (40025507)
松村 人志 〃, 第2研究部, 副部長 (50173886)
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キーワード | 睡眠 / ニューロン / 視束前野 / プロスタグランディン / ノルアドレナリン / クロニジン / ラット |
研究概要 |
ラット視束前野の睡眠関連ニューロンにノルアドレナリン作動薬およびプロスタグランディンを多連微小ピポット法で投与した。睡眠時活動ニューロンの大部分はノルアドレナリンによって抑制された。alpha2作動薬であるクロニジンを投与したときにも大部分の睡眠時活動ニューロンは抑制された。alpha1作動薬のメトキサミンやbeta作動薬のイソプロテレノールは効果がなかった。青斑核および延髄腹外側部のノルアドレナリン細胞群の電気刺激による視束前野のニューロンの抑制反応はalpha2拮抗薬のヨヒンビンによって減弱した。したがって、睡眠時活動ニューロンはalpha2受容体を介して抑制されることが分かった。覚醒時活動ニューロンの半数はノルアドレナリンによって興奮した。この反応はおもに1alpha受容体を介していた。beta受容体は関与しているかもしれないが、その寄与は少ない。睡眠・覚醒に無関係なニューロンの多くはノルアドレナリンによって影響されなかった。これらの結果から、ノルアドレナリンは睡眠時活動ニューロンを抑制し、覚醒時活動ニューロンを興奮させることによって、動物を覚醒させることが示唆された。視束前野ニューロンの多くは調べた限りではプロスタグランディンに反応しなかった。しかし、行動実験により睡眠促進を起こすプロスタグランディンD2の作用部位は視束前野より吻側の前脳基底部であることが分かった。今後はこの部位と視束前野との単一ニューロン活動に対するプロスタグランディンの影響を比較する必要がある。
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